私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「うん
 最初の頃はやってたんだけどね………雄斗に止められてからはあまりやらなくなったかな」

「…………止められたのか…?」

「まぁね………体育やる度に過呼吸起こして………倒れるようになっちゃったからさ
 仕方ないよ」

「…………香音は………本当はやりたかった?」

「………分からない
 やりたいって思いもあるけど…………ボールとか見えなかったから………怖くてやりたくないって思う時もたくさんあった
 でも…………無性にやりたくなってやったら倒れて……怒られた」

「雄斗に?」

「うん
 何か怒られると………やっちゃダメなのかなーって思ったり……」

「………あいつ過保護だな…………
 香音がやりたいならやらせればいいだろ」

「まぁ……私も倒れちゃうからさ
 何度も倒れたら迷惑かけちゃうし」

「それにしてもだろ
 香音がせっかく頑張ったのにな?
 怒るのは違うだろ」

「でも………私も悪いからさ」

「香音は悪くねぇよ
 香音が頑張ってやった結果だ
 まずはそこを褒めないとだろ」

「奏斗先生………」

「香音、今まで良く頑張ったな
 香音の努力は凄いよ
 だからさ、ここでは少し休みながらやるといい
 もちろん、やりたいことはやりな?
 誰も止めたりしない」

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