私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「あぁ………」

「香音は………何にも感じないんだ
 光すら…………その狭い視野で生活してるんだよ」

「………………………」

「雄斗、公園まで走るぞ」

「えっ、はっ?
 嘘だろ…………」

「転ぶなよー」

「ならやめろよ!」

「無理ー!」

はぁ………マジでムカつく………


でも…………香音はこんな狭い視野だったんだ……


全然……知らなかった………

悔しいけど………やっぱり奏斗の方が……香音のことを……分かってるのかもしれない……


歩くだけでも大変なのに………走るのなんて……もっとキツい


俺は……香音を走らせた

たくさん………頑張らせたんだ………



「到着ー!」

「はぁ……はぁ……」

「何お前息切れしてんのー」

「うっせ………走るの早すぎるんだよ………」

「これくらいいつも走ってるだろ?」

「……………………」

「はい、次はこれな!」

「まだやんのかよ………」

「全然足りない!
 香音の凄さをもっと気づきなさい!」

「………分かったよ」

そう言って奏斗はボールを出した


こんなのまで持ってきたのかよ………


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