私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「香音の場合は、勉強に関してはあまり困ってないと思う
視力的にもピンポイントで見ることには長けてる
だからほとんどの人が勘違いするんだ
視野が狭くても何でも出来るじゃんって」
「………………っ」
「だから十分は配慮が受けられない
自分から言わないと………気づいてもらえない」
「…………………さっき体験してみて良く分かった
俺も…………最初は香音のこと…………全然大丈夫なんだなって思って………何もしなかった……」
「香音の場合はさらに難しい
本人が………分からないから」
「……………何が分からないんだ?」
「香音がさ………あの視野になったのっていつ?」
「………………分かったのは小4だろ?」
「…………左目が失明したのは?」
「………2歳」
「おそらくその頃からだぞ
狭くなってるのは
視野検査って…………ある程度の年齢にならないと正確に測れないんだよ
だからその年になるまで分からないだけ………」
「じゃあ香音は…………」
「普通が分からない
普通に見えていた時の記憶がないから」