私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「…………そっか
香音、今日どうだった?」
「楽しそうだったよ
香音も……楽しいって言ってた
体育も……楽しかったって」
「…………それなら良かった
体育……出来たんだな」
「まぁ普通校とはやってること違うからな
今までを乗り越えてきた香音には………楽だと思うよ」
「そりゃ………そうだよな………
やっと気づいたよ……………俺は香音に何もしてやれてなかったんだなって」
「雄斗は良くやった方だよ
香音も……雄斗がいたから救われた部分とあるはず」
「………………だといいけどな」
「いつかは香音に伝える時がくる
普通の見え方を
それを知った時…………香音の心は壊れるかもしれない
その時は………お前が支えてやれよ」
「……………あぁ
もう過去は変えられないから…………これから出来ることをする
香音が………辛い思いをしなくてすむように…………気を付ける」
「………そうしてやれ」
その日はそれで奏斗と別れた