私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「…………奏斗のおかげでさ………気づいたんだ
 俺は香音に………何もしてあげられてなかったんだなって………」

「そんなことないよ
 雄斗のおかげで………私は救われたよ
 雄斗がいたから生きられてるんだよ」

「香音………ごめんな…………今まで気づいてやれなくて………
 良く頑張ったな………」

「雄斗…………」

「歩くの…………あんなに疲れるんだな………
 ……ボールだって………あんなの怖いよ………
 怖くて当たり前だよ…………気づいてあげられなくてごめん………
 あの時………何もしてやれなくてごめん………香音の気持ち………全然分かってなかった………」

「…………雄斗……もう大丈夫だから
 そんなに謝らないで?」

「香音………今まで良く頑張ったな……
 頑張ってくれてありがとう………
 本当に………ありがとう……」

「うぅ………雄斗………泣きそうだから離して………スーツ汚しちゃう…………」

「汚していいから
 このまま泣いていいよ………今まで我慢してきた分………いっぱい泣きな………」

そして抑えていたものが一気に溢れだした

結局、私は雄斗の腕の中でいっぱい泣いた


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