私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「えっ!?
 それ本当に言った?」

「うん
 ここで嘘つく意味ないし」

「だよな…………てか、本当にごめん!
 でも俺、そんなこと思ってないからな!?」

「知ってる
 分かってて言ってる」

「香音………」

「でもさ教えて?
 心配したんだよ?」

「……………盲学校に見学しに行った日にさ……夜、奏斗から電話があったんだ」

「なんで?」

「…………奏斗に言われた
 香音は俺に隠してることがあるって
 俺に言ってほしい言葉があるって」

「………………………」

「ずっとそれ考えてた
 でもごめんな?
 香音にあんなひどいこと言ってたら意味ないよな………」

「ううん………いいんだ!
 私のこと考えてくれてた分かったから!」

「そっか………
 結局、香音が何を隠していて何を言ってほしいのか分からなかった
 奏斗に香音の世界を見せてもらって……………………さっきは俺が香音に伝えたいことを伝えた
 香音…………言ってほしいことって違ったか…?」

「……………合ってる……と思う
 あの日……奏斗先生に………やっと気持ちを分かってもらえた気がした
 頑張ったねって言ってくれて………嬉しかった
 でも……………何か違った」

「………違った…?」

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