私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「…………………………」
そう聞いても香音は気にせずにテキストを見てる
「俺よりも勉強が好き?
大切なの?」
「…………………………」
「そっか
俺よりも勉強の方が大切か
そっかそっか」
俺は持っていたテキストを香音の机においた
これは一種の賭けだな…………
これで俺の方を見てくれればいいけど………
俺は香音の部屋を出ていこうとした
これで何も反応なかったら無理やりベッドに連れてくけどな
「………………雄斗の方が大切に決まってるじゃん」
もう少しで出るってところで香音が喋った
おっ、この賭けは勝ったな
「おー!
それなら俺のところに来い」
「……………………」
でも香音は動かなかった
「どうした?
俺の方が大切なんじゃないのか?」
「…………………」
「なぁ…………どうしてそんなに勉強してんの?
明日………ってもう今日か
辛くなるぞ」
「………………………」
「何か学校であるのか?
それ………提出する課題とかじゃないんだろ?」
「…………うん」
「じゃあどうした?」