私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「香音から何も聞いてない?」
「聞いてない
聞いてたら体育なんてやらせてねぇ」
「はぁ!?
体育やったのかよ!」
「それで倒れた」
「そりゃ………体育なんてやったらな………
それで?
香音どんな感じ?」
「過呼吸になってる
ずっと雄斗の名前言ってる」
「…………叫んだり暴れたりとかはしてない?」
「…………今はしてない
最初はどうだったか知らないけど」
「そっか…………じゃあ奏斗はそのままいてくれ
香音に俺の声聞かせられるか?」
「あー……ちょっと待って」
スピーカーにして香音の方に向けた
「香音、雄斗だぞ」
「香音ー、聞こえるー?」
「ハァハァハァハァハァ……ゆう………ハァハァハァハァハァ……と………ハァハァハァハァハァハァ」
「良かった
香音、どうした?
怖くなっちゃった?」
「ハァハァハァハァハァ……ハァハァハァ……こわ……い………ハァハァハァハァハァ……ハァハァハァハァ…」
「そっか………奏斗は大丈夫?」
「……ハァハァハァハァハァハァ………ハァハァハァハァハァハァ…ぅん……ハァハァハァハァ」
「よし、じゃあ俺の声に合わせて呼吸して
絶対大丈夫だから
吸ってー、はいてー、吸ってー………」
凄い………少しずつ香音の呼吸が戻ってる………
あと少しってところで雄斗に話しかけられた
「奏斗、香音の体支えて
多分そろそろ香音力尽きる」
「えっ、あっ分かった!」
慌てて香音の体を支えた