私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「そっか………」
「あの時の香音は……………尋常じゃない
正気を失っていて………目も血走っていた」
「………………っ」
「…………香音の力………物凄かった……
男の俺でも………少しでも気を抜いたら負けそうだった…………」
「……………………………」
「俺がどんなに声をかけても………変わらなかったのに…………お前の名前出した瞬間…………少し力が緩んだんだ…………」
「………………香音………」
「もうそこからは簡単だったよ
お前の名前出しまくって
そしたら香音の力は緩んでいくし、しまいには泣き出したからな
そこからはお前の知ってる通り、寝てる」
「………そっか……
ありがとな
香音を助けてくれて………俺……香音がいなかったら………」
バタッ
そう言いかけていると寝室の方から物音が聞こえた
「奏斗ごめん
香音見てくる」
「おう」
そして俺は寝室に向かった