私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「そっか………」

「あの時の香音は……………尋常じゃない
 正気を失っていて………目も血走っていた」

「………………っ」

「…………香音の力………物凄かった……
 男の俺でも………少しでも気を抜いたら負けそうだった…………」

「……………………………」

「俺がどんなに声をかけても………変わらなかったのに…………お前の名前出した瞬間…………少し力が緩んだんだ…………」

「………………香音………」

「もうそこからは簡単だったよ
 お前の名前出しまくって
 そしたら香音の力は緩んでいくし、しまいには泣き出したからな
 そこからはお前の知ってる通り、寝てる」

「………そっか……
 ありがとな
 香音を助けてくれて………俺……香音がいなかったら………」



バタッ


そう言いかけていると寝室の方から物音が聞こえた


「奏斗ごめん
 香音見てくる」

「おう」


そして俺は寝室に向かった



< 235 / 529 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop