私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「仕方ないだろ!
あんな苦しんでる香音を見たら………冷たくなんて出来ねぇよ」
「そうだけどさ……程があるだろ
お前は……甘やかしすぎだよ」
「どこが」
「………ほとんど……普通じゃやらねぇだろ……」
「俺が悪いのかよ!」
「そんなこと言ってないだろ」
「じゃあ何?
香音に冷たくしろって?
倒れても放っとけって?」
「だからそれは違うだろ!」
「何が違うんだよ!
俺はどうすればいいんだよ
どうすれば正解なんだよ!」
「正解なんてない
ただこのままじゃ香音はダメになるって言ってるだけだろ」
「だからって香音を放っておける訳ないだろ!
放っておいたら香音は死ぬぞ!?
それでもいいのかよ」
「そんなこと言ってねぇよ
もうちょっと香音は一人でどうにか出来るようにした方がいいって言ってるんだよ」
「香音は!
今までたくさん頑張ったんだよ
今までたくさん苦しんできたんだよ
それなのに一人で頑張れって言うのかよ!」
「だから!」
「……雄斗……?」
「………香音」
「雄斗……どうしたの…?
奏斗先生も……どうしているの…?」