私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「何で俺のところ連れてきたんだよ」

「だって香音が…………お前を返せって
 そうじゃないと俺と話してくんないって」

「あー………」

「お前らどうしたんだよ?
 俺のせい?」

「んー………半分お前のせい」

「んな!?」

「奏斗が言っただろ?
 香音と離れろって
 本当は2、3日のつもりだったけど………修学旅行と被ってあまり家にいれないからさ
 なんかテスト前だーって言って追い込んでたから止める人がいた方がいいだろ?
 自分の家ならお父さんいるはずだし
 少なくとも俺よりは家にいると思ったからさ」

「バカ!」

「何だよ
 俺何かした?」

「香音のお父さん、出張でいないぞ?
 家で一人
 しかもお前から嫌われたと思ってる」

「はっ?
 嘘だろ………」

「お前の読み通り………香音追い込んでる
 夜も寝てないみたいだし………ご飯もゼリーしか食べてないって」

「給食は?」

「そんなんで食べれる訳ないだろ
 ちょっと食べて、すぐにトイレで戻してる」

「マジか………」

「お前さ……忙しいのは分かるけど連絡くらいしろよ
 会えなくても電話くらいさ
 香音……本当にヤバいぞ」

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