私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
………お父さんいなかった
「でも………ごめん
お父さんいないの知らなかった
結果的に……香音を一人にさせた」
「………………」
「昨日も……ごめん
せっかく来てくれたのに……家帰れなくて
本当にごめん」
「………ゆ……と………どう……して……」
「昨日から修学旅行だったんだ
修学旅行が終わったら……香音を迎えに行くつもりだったんだ………」
「……………」
「決して香音が嫌いになった訳じゃない
香音のこと、今も変わらずずっと好きだ
本当なら………今すぐ香音を抱きしめたい」
「……ゆう…と………会いたい…………」
「俺も………でもごめん
まだ帰れないんだ」
「………いつ……帰ってくる…?」
「明日………ってもう今日だな
今日の夜には帰るから
だから…………待っててくれるか…?」
「………待ってていいの…?」
「うん
てか、待っててほしい
香音にすぐに会いたいからさ……」
「………雄斗……待ってるね」
「おう
夜中に悪かったな
ゆっくり休めよ」
「ううん………ありがとう」
「香音……好きだよ
おやすみ」
「おやすみ………」
私はその言葉を聞いてすぐに眠りに落ちた