私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「何だー
知ってたんだ!」
「…………良かったな
これで俺は用済みか?」
「………………雄斗…?」
「あいつは平気なんだろ?
男嫌がってたのに
楽しかったんだろ?
立ち入り禁止の屋上にまで行って
二人きりになりたかったんだろ?」
「違う!
そんなんじゃない!」
「違くないだろ
屋上に行ったってことは………そういことだろ………」
「……………………」
何も言わない代わりにスマホを触った
そして電話を誰かにかけた
スピーカーにして
「もしもし?
岩本?」
この声………佐藤か………
「私、彼氏といるから
やっぱり彼が好きだから
ごめんね
それじゃ!」
有無を言わさずに電話を切った
「雄斗……私は雄斗が好きなの………雄斗じゃなきゃダメなの………
屋上に行ったのは謝るから………雄斗と離れたくないよ…………」
そう言って香音は泣き出してしまった