私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「…………やだ」
「香音………」
「あと1週間で………テスト終わるから………そしたら……ちゃんと元の生活に戻れるから……」
「……………無理
1週間も待てない
それに………テスト終わったら絶対に食べれるっていう確証ある?」
「………………」
「ないだろ?
さっきだって………
あんなの見ちゃったら病院に連れて行くしかないよ」
「……………やだ
絶対に嫌!」
「…………病院に行ってくれたら何でもする
香音がしたいことは全部やってあげる
勉強したいから放っといてって言われれば放っておくし、一人にしろって言うなら一人にする
病院にさえ行ってくれれば………何してもいいよ」
「……………………本当に?」
「本当」
「じゃあ徹夜してもいい?」
「………………言い方が悪かった
常識の範囲内で自由にしろ」
「徹夜も常識の範囲内!」
「常識じゃないだろ」
「…………雄斗も徹夜くらいするでしょ」
「仕事だもん
仕方ないだろ」
「…………………じゃあ前借りは?」
「物による
それで香音がちゃんと病院に行ってくれるならいいよ」
「……………………雄斗が一緒に行ってくれるなら行くから………だから………今だけ……雄斗を貸して……」