私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「………………だって……」
「まぁ香音が聞きたくなったら語ってやるよ」
「そんな日は訪れないと思うけどね」
「そっか………あっ、そう言えば退院決まったよ」
「えっ、いつ!?」
「明日
仕事終わったら迎えにくる」
「やったー!!
意外と早かったね!」
「香音が病院じゃ寝ないからな」
「うっ…………」
「それと、家ではちゃんとご飯食べるように
嫌って言っても食べさせるからな」
「…………食べれたらね」
「絶対に食べさせる
俺がいるからにはこんな生活させないから
覚悟しとけよ!」
「………………それでも雄斗といたい
一人は…………寂しい」
「そうだよな
俺も寂しいよ……一人の家に帰るのは
だから早く帰ってこいよ
待ってるから…………ご飯作ってな!」
「………ご飯はいいよ
あまり嬉しくない……」
「そんなこと言われても作るよ
あと、遅くても12時には寝かせるからな」
「えっ、早くない!?」
「早くない
全然早くない
むしろ遅いよ」
「……………あと1時間…?」
「そんな可愛い顔してもダメ!
一緒に寝るからな!」
「………雄斗、仕事頑張ろ!
いっばい仕事持って帰ってこよ!
一緒に頑張ろ!!」
「無理
香音と違って若くないから
俺は倒れる
あっ、でも倒れたら香音が看病してくれるのかー!
それはそれでいいな!!」