私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「後…………言うか迷ったけど言うね
来週の水曜日、学校終わったら出かける」
「どこに?」
「……………行っちゃダメって言われても行くから」
「……………どこに行くんだ」
「………あの事故の………説明会」
「……………っ!
行くな
行っちゃダメだ」
「…………どうして?」
「………………頼むから………行かないで」
「………行きたい
……………真実を聞きたい」
「あんなとこ…………行くなよ………」
「何で?
何かあったの?」
「……………お父さん達と1回目の説明会に行った
あの時………被害者……遺族…………侮辱するような言葉しか言ってなかった……………しかも………責任のなすり付けが始まるし…………頼むから行くな」
「………………どうしても行きたい」
「………行くなら……俺と別れろ………」
「…………………………分かった
今までありがとう」
「はっ?
お前本気か?」
「………本気だよ」
「………………はぁ
俺が悪かった
別れない
俺から離れるなんて許さない」
「でも…………」
「香音がそこまで行きたいとは思わなかった………俺と別れてまで」