私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
そっと寝室の扉を開けると香音はまだ眠っていた
そして、小さいテーブルを出してパソコンを開いた
少しでも……仕事やらないとな……
早く帰ってる分、家でも出来る仕事は持ち帰ってきた
仕事も……手を抜く訳にはいかない
生徒の……大切な人生を……めちゃくちゃにはしたくない
そう思ってたら……部屋は汚くなっていた……
ご飯も………食べる暇がなく、あまり食べなかった
香音には……食べろって言ってたのにな……
そんな感じでパソコンとにらめっこすること1時間
ゴソッ……
…………ん?
香音か…?
後ろから動いたような音がしたので振り返った
そこには……目に涙を浮かべた香音の姿があった
「香音…?
どうした……ってうわっ!」
ベッドから飛び降りて急に抱きついてきた
「おー……どうした…?
変な夢でも見たか?」
「……ヒック……ヒック………」
「よしよし、大丈夫だよー
何もないからなー」
「………ヒック…………」
香音は俺の胸で泣き続けた
俺の服を力強く掴んで
香音……大丈夫だよ……
もう…何もないから………