私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「香音〜見てみて!
お魚さんだよ〜!」
「……………………」
「凄いね〜」
「…………………」
「わぁ、あっちにも!
行こ!」
雄斗が楽しませてくれようとしてるのは分かる
でも…………無理だよ………………
雄斗の優しさが……………辛いよ……………
優しくしないでよ……………
私なんか…………放っといてよ………………
「香音、はい」
気がつくと私の手にはイルカのぬいぐるみがあった
「プレゼント!」
「…………………いい」
「どうして?
可愛くない?」
「…………………優しくしないで
放っておいてよ……………」
「香音………………」
「もうやだよ…………………辛い…………
優しくしないで……………」
「………………………」
雄斗は何も言わずに私の手を引いた
そして車に乗りどこかへ向かった