私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
山
しばらく車に乗っていると山奥の方へ入っていった
「香音……歩くよ」
そしてまた雄斗に手を引かれ歩き始めた
「星………綺麗だね」
「……………………………」
上を見上げると空いっぱいの星が輝いていた
「なぁ香音……………お前はどうしたい?」
「………………あいつを殺したい……………」
「………その後は?」
「……………死ぬ」
「…………俺は?
俺はどうすればいいの?」
「…………………生きてよ」
「俺さ……………今凄い幸せだよ
香音とこうして手繋いで歩けて」
「…………………」
「何があってもいいって思えるんだ
香音さえいれば
でもな………………お前がいないのは耐えられない」
「…………………」
「だからさ…………死ぬなら一緒だよ」
気づけば崖の上に来ていた
「俺はこの世界…………好きだったよ
香音と出会えて
凄く幸せだった」
「………………………」
「でも………香音には残酷だったな………
こんな世界………好きになれないよな
辛いことばかりで……………嫌になっちゃうよな」