私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「………………」
「世の中………不公平だよな
こんなに頑張ってるのに………良いことは全然起こらない
悪いことしか起こらなくてさ」
「………………雄斗………」
「だから…………やり直そう?
最初から
この世界にさようならして」
「………………ダメだよ…………雄斗は………」
「ごめんな…………最後まで…………
苦しい思いしかさせてあげられなかった………………だから………最後は一緒だよ……」
そして抱きしめられた
雄斗の目からは涙があふれてる
「……………雄斗………違うよ…………」
「もういいよ……苦しまなくて
充分苦しんだよ…………
だから………やり直そう
これ以上…………残酷な世界なんてないから」
そして私を抱きしめたまま崖の方へゆっくりと近づいていった
後一歩ってところで私は雄斗を止めた
「雄斗…………ダメだよ…………雄斗は…………」
「…………もう決めたんだよ
香音を一人にはさせないから」
「………………やだ…………雄斗…………死んじゃうの………やだ…………」
「……………香音がいないのは耐えられないもん………」
「ダメ……………雄斗は……………ダメなの………」