私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「シート倒すか?」
「………大丈夫…………」
和田に支えてもらいながらどうにか車に乗った
そして車は動き出した
「下山話せる?」
「……あぁ…………」
運転しながら聞かれた
「無理はするなよ
それで、痛いのはみぞおちだけ?」
「……背中も…………」
「はぁ?
どういう怪我の仕方だよ
何したんだ?」
「…………殴られた………………」
「喧嘩?
お前そんなキャラだっけ?」
「………香音………庇った……………」
「………香音ちゃんに何かあったのか?
寝てたけど」
「事故…………生きてた………
香音を…………苦しめた奴…………」
「マジかよ………
そいつ、また香音ちゃんに………」
「…………違う
最初に………手を出したのは………香音だ………」
「香音ちゃんが…?」
「…………殺したいほど………憎んでる………だから………香音は………」
「でも香音ちゃん…………あまりやってないだろ?
体格違い過ぎて………敵わないだろ」
「………みぞおちに………一発いれてた………」
「おぉ……すげぇ………」
「あいつ………香音……殴ろうとした………
だから…庇ったら………背中に……
みぞおちは……仕返しって………ガチでやられた…………」