私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
そして奏斗は出て行った
「香音、おいで?」
「…………………」
香音は顔すら上げてくれない
「香音ー、どうしたー?」
そして抱きしめた
抱きしめてもなお泣き続ける
本当にどうしたんだ………
「香音………さっきのまだ考えてる…?」
「…………………」
「………どうなの?
教えて?」
「………………………」
「香音………話してくれないと分からないよ………」
「……………………」
はぁ……何も話してくれない……
ずっと泣き続けてるし…………
「香音………お家帰ろう?
待たせてごめんね」
「…………………………」
何も言わないから抱き上げた
「帰ろうな
ほら、イルカさん持って?」
側に置いてあったイルカのぬいぐるみを香音に持たせた
そして寝室を出た
「…………ん、大丈夫なのか?」
リビングに行くと奏斗は起きていた
「あぁ………とりあえず帰るわ
奏斗ありがとな」
「おう
後で連絡する」
「了解
じゃ、また後で」
そして奏斗の家を後にした