私の人生を変えてくれた人 ～もし君が生きてたら～ 前編

「そうか……
　てか、何で怪我してんの？」

「…………香音庇ったら……殴られちゃって………」

「……………香音を庇った？
　何があったんだよ」

「………生きてたんだ
　事故で香音を苦しめた奴が」

「………っ！」

「香音も怒りがあったんだと思う
　それで一発、みぞおちに入れてた
　そしたらあいつも香音を殴ろうとするから………庇うだろ」

「…………そうだな
　香音守って偉いよ」

「………………守れたのかな」

「………守れたよ
　現に香音は傷一つない」

「……………でも……心は守れなかった」

「……仕方ないよ
　これからまた戻そう」

「…………俺に出来るのかな」

「出来るよ
　てか、お前じゃないと無理だろ」

「………嫌いって言われた
　……香音に」

「…………………本心じゃないだろ」

「………分かってるけど………面と向かって言われると………正直辛い」

「………そっか
　お前も辛いと思うけど………香音も辛いんだよ
　………側にいてあげなよ」

「…………………」

「どーした？
　いつものお前らしくないぞ？」

「奏斗………俺……本当にどうすればいいのか分からない…………」