私の人生を変えてくれた人 ～もし君が生きてたら～ 前編

「奏斗……………」

「どんなに弱音を吐いたっていい
　でも諦めるな
　お前が諦めたら終わりなんだよ」

「………………うん」

「次、諦めたら香音のことは俺がもらうから
　覚悟しとけよ」

「絶対渡さない
　香音は俺の物だ
　もう諦めたりなんかしねぇ」

「…………それでこそお前だよ
　お前だけは………何があっても香音といろよ」

「当たり前だろ」

「ん、なら良いけど
　んで？
　何か用あったのか？」

「あぁ
　今日、香音学校行くって言うからさ………
　様子見てて？」

「それくらい別にいいけど………
　大丈夫なのか？」

「……分からない
　でも香音が行くって言うから
　したいようにやらせようかなって」

「そっか
　登下校は？
　バス？」

「んー………さすがに送ってこうかな
　一人にさせるのは……心配だから」

「……じゃあ帰りはお前の家まで送ってくよ」

「いいのか？」

「あぁ
　でも、俺の帰りに合わせるから遅くなるかも」

「奏斗ありがとう！
　助かる」

「いや、本当にお前は過保護だな」

「悪いか？
　あの無自覚を見てると………放っとけない」

「まぁ……そうだな
　無自覚だもんな……………そう言えばお前が香音のスカート長くしたんだって？」