私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
いつもの時間になると香音は出てきた
「香音おはよー!」
「………………………」
一瞬、チラッと見てくれたがすぐにそらされてしまった
「朝ご飯出来てるよ
食べよ?」
「……………………」
「………一口でいいから食べて?
ほら」
パンを一口サイズにちぎって香音の口元へ持っていった
「………………」
何も言わずに食べてくれた
「偉い!
香音大好き〜」
「……………嫌い………」
「もー………まっ、いいや!
香音、今日送ってくから10分早く出れる?」
「………………一人で行く」
「ダメ!
送ってく!
早く行くのが無理ならいつもの時間でもいいから」
「…………………30分」
「ん?」
「…………………30分早くていい
………雄斗の時間でいい」
「でも………いいのか?
暇なんじゃない?」
「…………いい
………準備してくる」
そして香音は自分の部屋に行ってしまった
香音………全然喋ってくれない………
絶対……戻ってくるよな……?
前の………香音が………