私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
そして迎えた放課後
「奏斗先生ー、出来たー!」
「ん?
どれ、見せて見ろ」
奏斗先生の丸つけする音だけが響く
「香音………今楽しい?」
丸つけをしながらそう聞かれた
「………楽しいですよ
友達もいますから!」
「その笑顔やめろ
無理して笑うくらいなら笑うな」
「………………………」
「雄斗の前でもその笑顔か?」
「…………雄斗の前じゃ笑ってないですよ
学校だから笑ってるんです」
「どうしてそんなこと?」
「雄斗の前で作り笑いしても……意味ないですから
学校では………文香達に気づかれたくないですから」
「…………じゃあ俺と二人の時はやめろ」
「………………気が向いたら」
「はぁ…………なぁ香音
お前も辛いと思う
ただ………雄斗も辛いんだ
お前をあんな目にあわせてしまって………自分で自分を追い詰めてる」
「…………………」