私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「雄斗のことも………少しは考えてやってほしい
 家でどんな風に過ごしてるのかは分からないけど」

「………………雄斗に嫌われたい
 だから何もしない」

「………何で嫌われたいんだよ」

「雄斗さえいなければ…………あいつを殺せる
 それで死ねるの
 なのに………雄斗は……………」

「………なんで勝手にやろうとは思わないの?
 やっちゃえば雄斗は関係ないだろ?」

「……………雄斗も死ぬって言うから
 それは嫌だもん……」

「雄斗には死んでほしくないんだ?」

「当たり前じゃん………
 雄斗は………凄く良い人なんだよ
 私なんかと違って……」

「雄斗のこと好き?」

「…………好きだよ
 だから突き放してほしい
 私からは離れられない」

「好きならそんなこと考えないで一緒にいろよ
 今は一瞬なんだから
 過ぎてから後悔しても遅いんだ」

「……………」

「………ほら、出来たぞ
 さすが香音だな!」

そして手元に戻ってきたプリントは全部丸だった

「よし、帰るか
 荷物しまって駐車場で待ち合わせな!」

そして奏斗先生は教室を後にした

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