私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

〜香音目線〜

コンコン

「香音?
 起きてるだろ?
 入ってもいい?」

この声………奏斗先生か………

「はい……」

そう返事するとドアが開いた

「あっ、香音
 本当に寝てた?」

「寝てないです
 横になってただけ」

「あっ……それなら良かった」

「………何か用ですか?」

「………雄斗待ってるぞ
 一緒に行こう?」

「………行かない」

「………何で?
 ご飯美味しかったよ?」

「……………いい」

「えー、雄斗泣いちゃうよー?
 雄斗の笑顔が好きなんだろ?」

「…………………………」

「ほら、行こう?
 あいつ、香音が来るの待ってるから」

「……………聞きたいことがあるから行く」

「おう!
 よし、行くか!」


そして部屋を出た

「雄斗ー、連れてきたぞー」

「香音!
 良かった………来てくれた」

「………イルカ………どこ……………」

「あっ!
 やべ………今すぐ取ってくる!!
 だから待ってて」

そう言って雄斗は慌ただしく玄関に向かった

「聞きたいことって………イルカ?」

「はい
 ぬいぐるみ………なかったから………」

そんなことを話していると雄斗は戻ってきた

「香音!
 はい
 ごめん!
 マジでごめん!!」

「………………」

雄斗からぬいぐるみを受け取り部屋に戻ろうとした

「香音…………本当にごめん………」

凄くさびしそな声が私の足を止めた

「……………ありがとう」

そして部屋に戻った


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