私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「何、嫉妬ですかー?
可愛いー!」
「うるせぇ!
お前、雄斗にチクるぞ」
「どうぞ、ご自由にー!
雄斗の前でもこういうのやったことあるんで!!」
「マジかよ………雄斗可哀想………」
そんな小言を聞き流しながら問題を解き始めた
隣からは楽しそうな声が聞こえる
文香………良かったね
思いが…通じて
実は文香から全部聞けた!
遊園地に行った日のことを
私は寝ちゃってて全然分からなかったけど、良い感じだったんだよね!
きっと!
そして黙々と解いていった
コンコン
机を叩く音がして顔を上げた
「………奏斗先生」
「今日はここまでな
もう外暗いから」
「えっ……あっ、本当だ!
ごめんなさい……こんな時間まで付き合わせて……」
「いいよ
楽しかったから」
そして文香もニコリと笑っていた
「じゃあ帰るぞ
香音は車のところで待っとけよ」
そして先に奏斗先生は教室から出ていった