私の人生を変えてくれた人 ～もし君が生きてたら～ 前編

「……………頼むから少しは自覚してくれ」

「何を？」

「あー………
　そのキョトンとしたところとか………マジで可愛いすぎるから
　俺の前以外でやらないでくれ」

「……………ん……？」

「あぁぁぁ！
　もう！！
　香音は可愛いの！」

「…………全然可愛くないよ？」

「謙虚さとかいらないから！
　俺はそんなの求めてないの！！」

「謙虚…………じゃないよ…？
　本心だけど………」

「だから！！
　香音は誰から見ても可愛いの！
　どこからどう見ても可愛いの！！」

「……………？」

「あぁぁぁぁ！！！
　奏斗助けてくれ！！」

「はぁ？
　俺に振るなよ
　お前の彼女だろ」

「だって………どうすればいいんだよ」

「確かにな…………
　香音、とりあえず雄斗に言われた通りにしろ」

「言われた……通り………」

「そう
　そうすれば多分大丈夫だから」

「……………何言われたっけ…？」

「……………雄斗、もう手遅れだわ
　後は頑張れ」

「奏斗！？
　そんなこと言わないでくれよ！！」

「だって………ね？
　どう考えても無理でしょ」

「…………それは同感」

「可愛い彼女を持つのも大変だなー
　しかもこんなに無自覚なのは」