私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編











「うわっ、ほとんど食べてんじゃん」

「おっ、雄斗!
 お前の分はちゃんと残してるぞ」

「……………本当に少しだな」

「まぁ残してるだろ」

「…………食べていいぞ
 もうお腹いっぱいだから」

「マジ!?
 よっしゃ!」

はぁ………奏斗は呑気だな…………

「あっ、そう言えば香音大丈夫だったか?」

「ん?
 あぁ……多分な
 全くどうしたものか………前はあんなベタベタしてこなかったんだけどな」

「………………怖いんじゃないか?
 あの事件があって………一人になりたくないんだろ」

「………………奏斗は…?」

「………俺だって怖いよ
 あの駐車場を通るたびに…………あの時のことを思い出して
 包丁だって…………今でも見れない」

「奏斗……………飯食いにこいよ
 作って待ってるから」

「いいのか…?」

「それくらい全然いいよ
 てか、それなら早く言えよ
 ろくな物食べてないだろ」

「まぁな
 だからかな
 余計に雄斗の飯が美味く感じる」

「…………………………香音も……包丁怖がってた」

「だろうな
 大人の俺も怖いんだから
 香音の怖さはもっと凄いと思うぞ
 それに…………一人だったしな………」

「だよな………」


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