私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編



離れたくないよ……………



そして膝に顔を埋めた



何も考えないように





それでも思い浮かぶ………


あの時の光景……



今でも鮮明に…………





「香音?」

顔を上げると雄斗がいた

「どうした?
 俺がいなくて寂しかったのか?」

「ゆう……と……」

そしてまた抱きついた

「どーしたー?
 そんなに寂しい?
 学校行ってた方が離れてただろ」

「………寂しいの…………雄斗…………」

「…………そっか…………」

そして頭を優しく撫でてくれた

「…………寂しくて………文香に抱きついたのに…………奏斗先生に……睨まれた……」

「あー………奏斗も結構文香ちゃんのこと好きだもんな」

「雄斗………ずっと寂しい……
 心に……ぽっかりと穴が空いてる感じで………寂しいよ……….」

「………全部俺が埋めてやる
 心に空いた穴、元に戻してやるから」

「ゆう……と………」

「だから大丈夫
 香音は無理するな
 寂しいなら俺がいる時は好きなだけくっついていてもいいから
 香音の寂しさがそれで少しでも埋まるなら
 学校は……申し訳ないけど」
< 436 / 529 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop