私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「……ぃや…………嫌…!」
向かいの机に座っていた文香が調理室から飛び出した
「文香さん!?」
文香を呼び止める先生の声も
文香…………やっぱり怖いんだ…………
分かるよ……………
私も嫌だよ……………
気づけば先生は内線で連絡をし、みんな作業を再開していた
「香音、切らないの?」
隣で作業していた愛桜に声をかけられた
「あっ………うん………ゃる………」
「あっ、見てみて!
綺麗に切れた!!」
そして刃先が私に向いた
反射して刃先が白く光る
あの時と…………同じだ……………
ハァハァハァハァハァハァハァハァハァ…………
くる……しい……………
「香音?
大丈夫?」
「ハァハァハァ……ごめ………ハァハァハァハァハァハァハァ………」
そして私も調理室を飛び出した