私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
家
パシン
肩に何かが触れたので目が覚めた
そしてそれを勢いよく振り払った
「あっ……………ごめん………」
「いや………俺の方こそ悪かった」
私の肩に触れたのは雄斗だった
「………ごめ……んなさい…………」
「香音は悪くない
俺が急に触ったから…………驚かせてごめんな」
「うぅ……ごめ……んな……さい…………」
「ちょっ、香音!?
どうした?
泣くなよー、俺は怒ってないぞー?」
「ヒック……ヒック…………」
「ほら、イルカさんも香音ちゃん泣かないでーって言ってるぞ?」
「ヒック…………」
雄斗からイルカのぬいぐるみを受け取ってギュッと抱きしめた
「ちょっとー
抱きしめるのイルカさんじゃなくて俺にしてよー
ほら、おいで」
そう手を広げてくれたけど……………
ベッドの隅に逃げた
「香音ー、逃げないでよー
俺のこと嫌かー?」
「ヒック……ヒック………ぃやぁ……ヒック………」
「もー………しょうがないなー……
イルカさんと仲良くしててね?
また来るから
何かあったらいつでも呼んでな?」
そう言って雄斗は出ていった