私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
〜雄斗目線〜
「香音、どうだ?」
「…………ぬいぐるみに香音取られた」
ちょうど俺が帰って来るのと同時に奏斗も来た
そして奏斗から少し話を聞いてから香音のところに行ったら…………
はぁ………俺まずいことやっちゃったかな…………
「何、ぬいぐるみに負けたの?」
「負けた………」
「うわっ、だっせー
ぬいぐるみに彼女取られてやんのー」
「うるせぇ…………香音どうしたんだよ…………」
「……………お前しか香音を治せないぞ?
悲しいことに俺はすでに振られてるんで」
「なにも悲しくねぇよ
……………調理実習なんだよな?
原因………」
「あぁ
良くやるよな………無理だって分かってるはずなのに」
「…………そういえば文香ちゃんは何でやってたんだ?」
「……………いけると思ったんだって
香音と違って包丁を見ることはあまりない
だから………そろそろ大丈夫だろうって
そう思い込んでやってたみたいだけど…………いざやってみると無理だったみたいだな」
「………なるほどな
多分………香音は文香ちゃんがやらなかったらやめてたはずだぞ
ただ………一人ではやめられない
それに文香ちゃんに思い出させたくなかったんだと思うぞ
自分がやめることで………」