私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「…………本当ばか
周りよりも自分のこと考えろよ………」
「だよな………
まぁそんなところも可愛いんだけど…………もうちょっとだけ自分のこと大切にしてほしいわ」
「…………お前もばかだと思う
いつからそんな一途になったんだよ」
「………香音を見た時」
「………聞いた俺がばかでした」
「いや、聞いて?
香音のこと見る前から噂は知ってたんだよ?」
「………何の噂だよ」
「ほら、香音って兄いるだろ?
その兄とも、もともと仲良くて
その兄の学年で流れてた噂が兄にめちゃくちゃ可愛い妹がいるって話」
「へー」
「兄はそんなことないって言ってたけどさ
次の年、名簿見てびっくりよ
同じ苗字のやついるんだもん
一瞬で分かったよ
この子が妹なんだなーって」
「……………………」
「それで入学式の時初めて香音を見て…………噂通りの可愛いさだったよ
めちゃくちゃ可愛かった
周りの男子もめっちゃ見てたけど、誰も寄せ付けないオーラが香音の周りにはあって
孤高の美少女って感じだったな」