私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「なんか分かる気がする
 初めて会った時凄い拒まれてる感じした
 まだ雄斗がいただけマシなんだろうけど」

「だろ?
 いざ、教室に行ってみると友達と話してる時の笑顔は最高だったな〜
 周りの男子も見惚れてたし
 今思うとムカつくけど」

「お前もその一人だったんだろ?」

「まぁな
 でも一人になった時にさ
 目が………辛そうだった
 生きる希望を持ってないというか………なんか全てを諦めてる感じで
 この子は何か凄いものを抱えてるんだなって感じた
 窓の外を悲しそうに見つめる瞳を………俺は放っておけなかった」

「…………本当に最初から好きだったんだな」

「いやぁ………香音の可愛さに惚れない方が無理でしょ」

「教師としてはどうかと思うが」

「それにさ………兄から頼まれてたんだ
 もし、香音と関わるようなことがあれば助けてやってほしい
 香音の世界を変えてほしいって」

「何でお前に?」

「さぁな
 たまたま俺が声をかけたからなのか………あいつ自身も誰かに話したかったのか」

「………声かけたのか?」
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