私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「…………どう……して………」
「いいんだよ…………思い出さなくて………
知る必要なんて………ないよ」
「…………………………」
「その記憶は………覚えていたくないから……思い出したくないから、記憶から消えたんだよ…………そんなの……わざわざ思い出さなくていい」
……………そうかもしれない
だけど……………知らないままなんて………嫌だよ……
ちゃんと………知りたいよ…………
「雄斗…………教えて……」
「嫌だ………
何でわざわざ香音が苦しむようなことを………教えなきゃいけないんだよ………」
「それでもいいから………」
「良くない…………何も良くない………」
「知りたいの………自分のことくらい………知っておきたいよ……」