私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「…………………」
「よし、分かった!
香音が一口食べたら何でもお願い叶えてあげる!
何でもいいぞー!」
「…………………別にいいもん」
「そんなこと言わないでよー
ほら、特別に食べさせてあげるから
おいで!」
手を広げると香音は俺のところへ来てくれた
「香音ー、向きこっちじゃないだろー」
「やだ………これがいい」
そう言って俺の胸に顔をうずめた
はぁ………本当に可愛いんだから………
「分かったよ
…………はい、口開けて?
あーん」
「……………………」
「香音、口開けて
絶対美味しいから」
そして香音は少しだけ口を開けてくれた
そこにご飯を少し入れた
久しぶりに口にしたご飯………大丈夫かな……
その心配をよそに香音はすぐに飲み込んだ
「雄斗…………ギュッてして…………」
「いいぞー!
香音食べてくれたもんな!
偉い偉い!」
俺は香音を抱きしめた
少しでも食べてくれた…!
良かった…!
頑なに食べたくないって言ってたのに………食べてくれた…!
凄い嬉しい……!!