私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「……………無理です
そんなこと出来るわけない」
「じゃあ諦めません
今も離しませんから」
そう言って手を掴んできた
「離してください
俺は急いでるんです」
「嫌です
急用って………彼女さんですよね?
それなのに離すと思いますか?」
「………………………」
「キスするかしないか
選んでください」
「……………止めてください
また今度ゆっくり話しましょう?」
「待てません
今決めてください」
「…………………」
「早く!」
「…………お前……いい加減にしろよ!」
俺は怒りが最高潮に達し手を振り上げた
グイッ
振り下ろす手前で誰かに捕まれた
「下山先生、そこまでです
落ち着いてください」
「高梨……先生…………」
「下山先生、ダメです
それだけは絶対に」
そして俺は手をおろした
おろした瞬間、事の重大さが襲いかかった
「高梨先生………ありがとうございます……
先生がいなかったら俺は…………」
「下山先生………後は俺がどうにかしときますから………行ってください
何かあったんでしょう?」
「はい………ありがとうございます」
そして俺は車に乗ろうとした瞬間
「待って!
話はまだ終わってない!」
「………………いい加減にしろ
俺はもうお前と話すことはない」
「いいんですか?
そんなこと言って
私の言い様よっては仕事、クビになるかもしれないんですよ?」