私の人生を変えてくれた人  ~もし君が生きてたら~ 前編

「そう………だよな………
 荷物、ありがとな
 頑張ったな!」

「雄斗………やっぱり怖かった……
 ごめんね………仕事だったのに………」

「いいんだ
 ごめんな、一人で頑張らせて
 遅くなって悪かった」

「ううん………雄斗は来てくれた
 ありがとう……もう少しこのままでいい?」

「もちろん!
 香音が大丈夫って思えるまでこのままでいいよ」

「うん…………」

しばらくの間、香音を抱きしめ続けた

少しでも香音から恐怖心が抜けることを願って


















プルルルル……


しばらくして電話が鳴った

「香音、ちょっと離れて?
 スマホとりたいから」

まだ抱きついてる香音にそう言った

そうすると離れてくれた

「ありがとう」

そして俺はスマホに手を伸ばした

「もしもし……………あっ高梨先生……」

電話の相手は高梨先生だった

これは………長くなるかもな………

俺はソファーに座り、香音に向けて手を広げた

寂しそうな顔をしていた香音の表情が一気に明るくなった

そして俺の上に座りながら抱きついてきた

あぁ………もう…可愛いすぎる………

俺は香音の頭を撫でながら電話を続けた

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