私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「一応、声は出るようになりました
ただ……ここに戻ってきたらどうなるのか………」
「なるほど………やっぱり下山先生と一緒にいさせて正解でしたね」
「俺も………楽しかったです
それで………一つご相談なんですが………」
「何でしょう?」
「香音が………退院したいと………
病院も……外の世界も怖いと言ってます
勝手に………香音を1週間で絶対に退院させると約束してしまいました………
すみません………」
「そうですか………やっぱりまだ……向き合えていないんですかね………」
「そうですね………でも……無理させたくない……香音の好きなようにさせたい………
だから………お願いです……
香音の退院に………協力してもらえませんか…?」
「もちろんです
香音がそれを望んでいるなら………それにまたごねたんでしょう?
病院に戻りたくないとか言って」
「アハハ………まぁそんなところです
それで約束してしまって………守れなかったら香音がまた壊れてしまうかもしれない」
「ですね………主治医の先生に相談してみます
なるべく早く退院できるように」
「お願いします…!」