私の人生を変えてくれた人 ~もし君が生きてたら~ 前編
「いや…………変じゃない………
全然変じゃないけど………急にどうした?」
″なんとなく″
「なんとなくって…………本当にそれだけ…?
俺があんなに頼みこんでも聞いてくれなかったのに…………何があった?」
″何もないよ
ただ邪魔だったから″
「……………香音、何かあるなら言って?
心配だから………」
″だから何もないよ!
………………それともやっぱり変…?″
「そんな訳ない!
お前の目…………綺麗だよ
やっとちゃんと見れた……」
そう言うと香音は少し微笑んでくれた
「でもさー、どうしてあげたの?
頼みこんだ時、絶対に嫌!って言ってたじゃん」
″あー……そんなこともあったね
てか、どうしてあんなに頼みこんできたの?″
「……………中学の校則覚えてる?
頭髪のところ」
″何かあったっけ?″
「やっぱ忘れてるか………俺は散々苦労したのに………」
″……………何かごめんね…?″
「いや……別にいいんだけど………
一応、前髪は目にかからない程度にするってなってたんだよ………校則で」
″へー″
「へーって…………お前なぁ……
俺、担任なんだからどうにかしろって色々な先生に言われたんだからな!?
しまいには学年主任と生徒指導の先生がお前を呼び出すとか言うしさー、大変だったんだよ?」