天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む
もしかして、あの人が噂の女性? 女の直感でそう思い、胸に急激にもやが広がり始める。
私の異変に気づいた泉さんが、不思議そうに同じ方向に目をやる。そして「ああ、相良機長」と呟いた。管制官もパイロットとはそこまで繋がりはないはずなのに、彼までもが知っているのか。
「彼も相当敏腕なんだろうね。日本アビエーションで最年少の機長になったやつをよく知っているけど、あの仕事は並大抵の精神力じゃできない。男の僕もカッコいいと思うくらいだし、やっぱりCAは放っておかないか」
終始親しげにオフィスのほうへ歩いていく彼らを目で追い、泉さんは小さく苦笑を漏らした。彼の目にも、あの女性の距離が近いように映ったのかもしれない。
ふたりの関係を知りたい欲がむくむくと膨らみ、ダメもとで問いかけてみる。
「相良さんとあのCAさんが一緒にいるところ、よく見ますか?」
「いや、僕はそんなに。でも女性陣が話してるのは聞くよ。確か黒髪ボブの美人って言ってたから、あの子かもしれないね」
「そうですか……」
ますます彼女が有力候補になる。私の心は晴れるどころか淀んでいく一方だ。
暁月さんの隣に並んでも、まったく違和感がなくてお似合いだった。私なんかより、よっぽど釣り合っている。
私の異変に気づいた泉さんが、不思議そうに同じ方向に目をやる。そして「ああ、相良機長」と呟いた。管制官もパイロットとはそこまで繋がりはないはずなのに、彼までもが知っているのか。
「彼も相当敏腕なんだろうね。日本アビエーションで最年少の機長になったやつをよく知っているけど、あの仕事は並大抵の精神力じゃできない。男の僕もカッコいいと思うくらいだし、やっぱりCAは放っておかないか」
終始親しげにオフィスのほうへ歩いていく彼らを目で追い、泉さんは小さく苦笑を漏らした。彼の目にも、あの女性の距離が近いように映ったのかもしれない。
ふたりの関係を知りたい欲がむくむくと膨らみ、ダメもとで問いかけてみる。
「相良さんとあのCAさんが一緒にいるところ、よく見ますか?」
「いや、僕はそんなに。でも女性陣が話してるのは聞くよ。確か黒髪ボブの美人って言ってたから、あの子かもしれないね」
「そうですか……」
ますます彼女が有力候補になる。私の心は晴れるどころか淀んでいく一方だ。
暁月さんの隣に並んでも、まったく違和感がなくてお似合いだった。私なんかより、よっぽど釣り合っている。