天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む
私も、彼を好きになれたらいいなと望んだ。なのに今は、暁月さんから向けられる笑みも言葉も偽物のように思えてしまって……切ない。
さっき噂の女性について聞けなかったのも、もし暁月さんが心から愛した人だったとしたら、きっとさらに苦しくなってしまうからなんだろう。
「私、そんなに愛されたがっているのか……」
綺麗な寝顔を見つめたまま、ぽつりと呟いた。
幸せな家庭を築くためにお互いに恋をしようとしているけれど、恋って努力してできるものなのかなと、今さらながら思う。『好きになってもらえるように善処します』なんて言ったくせに、どうしたら愛してもらえるのかわからない。
──『俺も好きだよ』
ふいに、城戸さんにかけられた呪縛のようなひと言が蘇る。あの時も勘違いだったし、暁月さんの甘い言葉も鵜呑みにできない自分がいる。
規則正しい寝息につられて、私も重くなった瞼を閉じた。浮かぶのはついさっきまでの甘いひと時と、それとは真逆の空港内で見たツーショット。
いつか、私たちは相思相愛の夫婦になれるのだろうか……。今はまだ、視界不良のぶ厚い雲の中をさ迷っている。
さっき噂の女性について聞けなかったのも、もし暁月さんが心から愛した人だったとしたら、きっとさらに苦しくなってしまうからなんだろう。
「私、そんなに愛されたがっているのか……」
綺麗な寝顔を見つめたまま、ぽつりと呟いた。
幸せな家庭を築くためにお互いに恋をしようとしているけれど、恋って努力してできるものなのかなと、今さらながら思う。『好きになってもらえるように善処します』なんて言ったくせに、どうしたら愛してもらえるのかわからない。
──『俺も好きだよ』
ふいに、城戸さんにかけられた呪縛のようなひと言が蘇る。あの時も勘違いだったし、暁月さんの甘い言葉も鵜呑みにできない自分がいる。
規則正しい寝息につられて、私も重くなった瞼を閉じた。浮かぶのはついさっきまでの甘いひと時と、それとは真逆の空港内で見たツーショット。
いつか、私たちは相思相愛の夫婦になれるのだろうか……。今はまだ、視界不良のぶ厚い雲の中をさ迷っている。