天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む
祝福スカイクリアー
翌年の春、お互いの家族や上司、大事な友人だけを呼んで比較的シンプルな式を挙げ、無事に結婚一周年を迎えた。
この一年、仕事の忙しさは相変わらずだったが、ふたりで無理なく一緒にいる時間を取り、国内外問わず旅行をした。一生に一度しかお目にかかれないような景色をふたりで楽しんで、これまでで一番充実した年だったと思う。
しかし七夕である今日は、私はひとり松本に帰省している。暁月さんは生憎仕事で、二十六歳の誕生日は夜にお祝いしてくれるそう。
茜から誕生日はどう過ごすのかと電話で聞かれたのでそれを話すと、『じゃあ、昼間は私たちがお祝いしてあげるよ』と言ってくれた。私も皆に会いたかったから、ふたつ返事で承諾したわけだ。
前日、仕事が終わってから新幹線で帰り、ひと晩実家で過ごした。ほっとする味の美味しいご飯を食べながら近況報告をして、両親も変わらず元気なことに安堵した。
そして誕生日当日は、久しぶりに松本空港へ。
こぢんまりとした空港に入ると、一階のロビーにある椅子にゴンさんと茜が座っていた。今日は遠野くんだけ仕事で、茜は休みを取ったらしい。