天才パイロットは交際0日の新妻に狡猾な溺愛を刻む
旦那様……ってどういうこと?と首をかしげる私に、彼女は意味ありげに微笑んで「はい、これ」と一枚の紙切れを差し出した。
手に取ってまじまじと見るとそれは航空券で、〝アルプス遊覧フライト〟と書かれている。
「これって、チャーター便で一時間くらい遊覧飛行するっていう企画?」
「そう、莉真が東京に行ってから始まったやつね。ヒノモト航空さん主催で」
「……まさか」
旦那様からのプレゼントということは、このチャーター機に私を乗せようと? もしかして、暁月さんが操縦するの?
目を丸くして顔を上げると、茜は私の考えを肯定するようににっこり微笑んで頷いた。ゴンさんも、なんだか満足げに口角を上げている。
「もうすぐ時間だぞ。行ってこい」
「整備はバッチリなんで、楽しんできてくださーい」
親指を立てる遠野くんも知っていたみたいだ。
驚きすぎて固まったままの私の肩を茜が抱いて、チェックイン機へと連れていかれる。呆気に取られている間に、彼女はさっさと手続きを済ませていた。
「え、ごめん! 一時間も待たせることに……!」
「全然大丈夫。ゴンさんと適当にお茶して過ごしてるから」
なんてことないといった調子で、茜は私を送り出すように背中に手を当てる。
手に取ってまじまじと見るとそれは航空券で、〝アルプス遊覧フライト〟と書かれている。
「これって、チャーター便で一時間くらい遊覧飛行するっていう企画?」
「そう、莉真が東京に行ってから始まったやつね。ヒノモト航空さん主催で」
「……まさか」
旦那様からのプレゼントということは、このチャーター機に私を乗せようと? もしかして、暁月さんが操縦するの?
目を丸くして顔を上げると、茜は私の考えを肯定するようににっこり微笑んで頷いた。ゴンさんも、なんだか満足げに口角を上げている。
「もうすぐ時間だぞ。行ってこい」
「整備はバッチリなんで、楽しんできてくださーい」
親指を立てる遠野くんも知っていたみたいだ。
驚きすぎて固まったままの私の肩を茜が抱いて、チェックイン機へと連れていかれる。呆気に取られている間に、彼女はさっさと手続きを済ませていた。
「え、ごめん! 一時間も待たせることに……!」
「全然大丈夫。ゴンさんと適当にお茶して過ごしてるから」
なんてことないといった調子で、茜は私を送り出すように背中に手を当てる。