可愛くて、ごめんあそばせ?─離婚予定の生贄姫は冷酷魔王様から溺愛を勝ち取ってしまいましたわ!─
ジンは受け入れ態勢万全のベアトリスの瑞々しさにゴクリと唾を飲み込んでしまった。幼な妻の可憐な誘惑に500歳年上のジンの理性が試される。
「べ、ベアトリス、君は私を試しているんだね」
「試す?」
幼な妻の唇を食むことはなく、ジンは細い肢体を抱きしめた。首筋に顔を埋めて欲を逃がす。
「私は魔族の王だよ?野蛮な野生型ではない」
「野生型だなんて思ったことはありません。でも」
目を開いたベアトリスは声色に寂しさを乗せて、恐る恐る魔王様の背中に両腕を回してみた。
「私にキスしてくださらないのですね」
幼な妻の可愛い拗ね事にジンの尖る耳がピクつく。背中に伝わる細腕の弱々しい圧力にジンのみぞおちは息苦しいほど震えた。
「私が、幼いからですか」