可愛くて、ごめんあそばせ?─離婚予定の生贄姫は冷酷魔王様から溺愛を勝ち取ってしまいましたわ!─
ベッドの真ん中にうつむせに寝かされたベアトリスの上に、ジンが両脚を広げて跨った。
「私は昔、サイラスによくやってもらった。医術の一種だよ」
ベアトリスの背中に跨ったジンが、両手でベアトリスの背をグッと押す。
「ひゃ!」
「ちょっと強かったかな?」
「いえ、ぁ!あの、声が、ァ!」
「声?君の声はいつだって聞いていたいよ」
ベアトリスの肩や首、背中や腰をジンの両手が圧して解して、揉んで擦ってと強弱の刺激を与えていく。
「ンぁ!」
ジンの刺激に伴ってベアトリスは出したくもない声が漏れてしまうのを止められなかった。
「ま、ぁ、魔王様、も、もう」
「王妃としてがんばっている君を応援したいんだ」
「ぁ、お気持ちは、嬉しいのですが!」
「夫として、まだまだ尽くし足りないよ」
「ぁッ」
ジンが触れる手は止まらず、ベアトリスの背中は血流がよくなりすっかり温かくなった。
だが、厭らしい声が出ることで羞恥が極まり、何度も目尻から涙がこぼれてしまった。
「もう……お終いにしてください。お願いいたしますわ」
ジンの手の平が気持ちいいのと、漏れ出る声ですっかりベアトリスは力が抜けた。くったりしたベアトリスを見下ろしてジンは支配欲が満ちる。
「そうかい?いくらでも揉んであげるよ?奥様?ふふっ、恥ずかしくても泣いてしまうんだね」