可愛くて、ごめんあそばせ?─離婚予定の生贄姫は冷酷魔王様から溺愛を勝ち取ってしまいましたわ!─


しばらくアイニャの墓の周りをうろついていたエリアーナに、天啓が降って来た。すぐ忘れてしまう小さな脳みそで考え続けたかいがある。


「そうや!!あれがあったらええと思わん?!」


エリアーナはうさ耳をぴょこんと持ち上げて跳び上がった。


「アイニャが探そうとした金色のロッド!うちが探してくるわ!」


アイニャの墓を覗き込んだエリアーナはこそっとアイニャにだけ本音を漏らす。


「許してもらわれへんやろうけど、ロッドだけは返すわ。


それが先生が言うてた誠意ってやつちゃうかな?」


アイニャに別れを告げて、エリアーナは走った。

エリアーナだけが知っていた魔狼の巣へ。




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